DTP仕事の入稿データ最終チェックシートと補足Q&A
- デザイン/Tech
- 2023/05/14
普段Web制作が主流でたまに久しぶりのDTP系のお仕事が来ても、迷わず入稿チェックを進めたい…。思い出す作業を省いて迷わずスムーズに最終確認を行うためのチェックシートを、自分自身の備忘録として作ってみました。
入稿データの最終チェックシート
入稿初心者の方向けの補足Q&A
Q.ガイドは消す必要がある?孤立点とは?
A.印刷機の性能が上がっていると思われる現在では、印刷会社の指定項目にあるかどうかに左右されるところで、ガイドまでちゃんと消してから入稿するかどうかは入稿先の担当者次第なのかもしれません。
昔話になりますが、私自身が印刷会社勤務の時代には製販の部署の方からの指示で「ガイドも全部消してくれ」という指示があり、それ以来全て消すようにしています。
そして、ガイドを消すときに注意なのが「孤立点」
ルーラーから出して使うガイドラインを消す時はBackspaceキーを必ず2回以上押さないと画面の端っこに謎の孤立点が残ってしまう仕様になっています。
文字の入っていない空っぽの文字ツールによる孤立点や、アートボードの外側でペンツールを1回クリックしただけのためらい傷のような孤立点は気がつくのが比較的簡単です。
しかし、ルーラーからドラックして使う長ーいガイドラインの両端の点は画面の端っこ過ぎて見落としがちな孤立点だと思うので、画面縮小をしてしっかりチェックして消去しておくのが吉です。
入稿先での作業がオンデマンド印刷の場合はさほど注意する必要はなさそうですがオフセット印刷など製版を伴う印刷方法の場合はデータトラブルを防ぐためにもガイドラインと孤立点はなるべく消しておくようにしましょう。
Q.オンデマンド印刷とオフセット印刷の違いとは?
A.オンデマンド印刷とは高性能の業務用レーザープリンターを使った印刷のことで、版下などを作る工程が必要なくレーザープリンターに繋がったPCから直接プリントしています。
製版が必要ない分コストを抑えられるため、名刺やショップカード、小ロットのパンフレットやチラシなどはオンデマンド印刷の方が適しているでしょう。
対してオフセット印刷はCMYKの4枚の製版をしてさらに金属製の版に反転して焼き込み、大きなドラムに巻き付けて水と油が弾き合う原理を使って印刷をしています。このように大掛かりな工程が発生するため、オンデマンド印刷よりもどうしてもコストは上がります。
何十万枚何千万枚と刷る必要がある販促物や、特色や特殊なインクを使った表現、特殊加工を伴う印刷などはオフセット印刷やグラビア印刷などでしか表現できないので印刷機を持つ印刷会社一択になります。
Q.「アピアランスを分割」とは?
A.イラストレーターはバージョンアップごとに大胆な仕様変更があるアプリケーションの一つだと思うのですが、その中でも「パスの変形」をしたあと元に戻せる仕様になったあたりからこの機能がつく前のバージョン(CC以前?)のイラストレーターで開くとレイアウトが崩れる現象が起こってしまっています。
そのためこの形でいこう!と決めた段階で「アピアランスを分割」をしておくことによって、バージョン違いのイラレで開いた時のトラブルを防ぐことができるのです。印刷会社では設備投資に大きな金額がかかることから、製版機に繋がっているPCに入っているイラストレーターのバージョンが古いということもよくある話。
多少手間ですが、極力トラブルを防ぐためにも制作者以外の複数の人が触る必要のある入稿データでは、このひと工程をやっておくのが無難でしょう。
ブランクありの方や初心者の方向けDTP作業用イラレ環境設定のおさらい
Web制作からイラレを使い始めた方や普段はイラスト制作に使っているだけの方などが見落としがちな、印刷データを作る前に確認しておきたい「DTP用の環境設定」をご紹介します。
日本式トンボ
環境設定 > 日本式トンボにチェックAdobeは海外製なのでここにチェックが入っていないと違う形のトンボが表示されてしまいます。日本語版を使っている時点で大丈夫だとは思いますが、ちゃんと「日本式トンボ」にチェックがついているかは必ず確認しましょう。
CCの旧バージョンを削除しない&新バージョンに自動更新しないようにしておく
こちらはイラレではなくCreative Cloudの方の環境設定になりますが、入稿データを扱う場合は新バージョンの導入は慎重にしたいですよね。
旧バージョンではちゃんと表示されていたオブジェクトが新バージョンになった途端エラーが起きたり最悪データ自体が開けないなんてことも起こってしまうのがイラレというアプリケーション。
Web制作やイラスト制作からイラレを使い始めた方の場合は気にした事がないというかむしろ「バージョンは新しい方がいい」という感覚の方が多いかもしれません。
しかしDTP系のお仕事でイラレを使う場合は次に再度同じデータを流用して文字修正して再入稿なんてことも発生します。
そのときにこの自動更新の設定を忘れていて新アプリに変わってしまい、旧バージョンも削除されているという状態だと詰んでしまいますので、忘れず設定しておくのが吉です。